「日本犬の子育てについて」
「日本犬の仔犬は、早くに親から離さないと噛む犬になる」というような、無茶苦茶なことを言う人がいます。
どのような育て方をするとそうなるのでしょうか。
仔犬は母親や兄弟と一緒に暮らすことで、社会生活に必要なことを学んでいきます。兄弟が遊びの中でじゃれ合ったり、噛み合いをしながらランク付け等を知ることになります。
時には噛み合いがエスカレートし、親が仲裁に入ることもあります。
やがて乳離れの時期になると、母犬は仔犬を遠ざけるために、かなり激しく仔犬を拒否します。
仔犬は噛んだら痛いよと、母親に教えられることになります。
早くに親から離れた仔犬は、社会生活というものをあまり知らないまま、新しい生活を始めなければなりませんから、物事に対して知識が少なく、多くのことに自信が無いはずです。
当然、不安におびえた仔犬は、怖いから噛みつくことになります。
親に厳しく躾られ、社会生活をしっかり理解していれば、どんな時でも飼い主を信用できます。
そしてお互いに堅い絆へと繋がっていくのです。
また、日本犬が展覧会で賞を取る為には、目力が厳しくないといけないという理由から、犬にひどい仕打ちを与える方がいるようですが、これは明らかに間違っています。
そんなことをしても何にもならないだけではなく、犬は自分を守るために噛みつくことになります。
仔犬は母親から愛情と社会生活、そして厳しさを学びます。
母親の躾が、次のパートナーと信頼関係を作り、ペットとしても幸せに暮らしていくことに繋がるのです。